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このページでは、東京五輪以降に日本で発行された記念・特殊切手がプレミアム付で売却できない背景について、ご参考情報を提供いたします。お客様が売却方法をご判断いただく際にお役立て頂ければ幸いです。
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現時点での希少性 |
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1960年前後から1970年代前半にかけて記念切手の発売日には、毎回、郵便局に行列ができ、新切手がシート単位で買われていきました。小規模な郵便局では早く売り切れるところが多かったのですが、大規模な郵便局では数カ月間は在庫があったため、概ね購入希望者全員に新切手が行き渡るだけの発行数は確保されていました。このため、当時の記念切手の未使用には、現時点では希少性がありません。
「そう言われても、当時は、新切手はあとで利益になると言われていた」と反論される方もいます。
たしかに1970年ごろには、「切手投資」をすすめる書物がいくつか刊行されていて、「切手はもうかる」という趣旨のことが書かれてありました。しかし、これらの書籍の内容は、明確な根拠に乏しいものが少なくありませんでした。
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買い取り業者 |
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郵便切手について日本の郵政省(当時)が保証していたことは、 「切手に記された金額(額面)の範囲内で郵便に使える」ということだけです。郵政事業が日本郵政公社に引き継がれた現在でも、「郵政省時代の切手は使える」ということが法律で保証されてはいるものの、最近では郵政公社の経営の厳しさを反映して、一部の大口郵便物(ダイレクトメール等)などの料金支払いについては、「現金しか受付けない」という事態も発生しており、郵政当局に対する一種の「債権」を表象する切手の有効性には、先行き不透明な要素があることは否定できません。
1980年代ごろから「金券業者」、「チケットショップ」などとよばれる業者が、郵便物を大量に差し出すダイレクトメール業者に切手を額面以下で転売するために、さらに低い金額で記念切手を買い入れるビジネスが始まりました。
額面50円以上の切手の買い入れ価格が、シートの場合、額面の80〜90%、50円未満の切手の買い入れ価格が額面の10〜50%といったところです。しかし、一定以上の額面のシートの場合には、私どものオークションよりも多少は有利に売却できる可能性がある一方、比較的に古い時代に発行された、額面の低い切手や、シートでない切手は「二束三文」ないしは「買取拒絶」という先も少なくありませんので、コレクション全体として必ずしも有利に処分できる保障はどこにもありません。
最近は、先述したように民間会社メール便の普及に伴う郵便需要の低迷に加え、郵政の民営化の動きと財務状況の悪化を背景とする異常ともいえる「現金主義」への移行もあって、額面割れの切手の需要は減っており、額面の小さい記念切手の買い入れをしない業者、あるいは記念切手の買い入れそのものを取りやめる業者が増えています。
古い時代の切手は1枚5円・7円・10円・15円と低額面であるために単位金額あたりの切手枚数が多く、業者の取り扱いに手間がかかることも、こうした動きに拍車をかけています。
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その他の対処方法 |
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額面を下回る価格で売却することには、どうしても納得できないという方もおられることでしょう。その場合には、次のような対処方法が考えられます。
1.郵便に使う
2.子どもの教材に使う
なお、同じ時代の切手でも普通切手(日常的に使われる切手)のシートや、記念切手でも郵便物に使われたままの形(封筒)で残っているものなどは、単独で私どものオークションに出品し、プレミアム価格で売却することが可能な場合もあります。
これらは、新しい記念切手の未使用シートのかげになって、あまり注目されていなかったアイテムです。詳しくは、専門家にご相談下さい。
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1. |
郵便に使う |
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郵便料金として郵便に使う場合には、額面通りに使えます。
「そんなに郵便を使う用事はない」と感じる人が多いのですが、個人であっても、郵便小包(ゆうパック)や年賀状・暑中見舞い状(ともに、私製はがきに貼付して使用)に使えば、不要な切手をかなり費消することが可能です。
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2. |
子どもの教材に使う |
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いままで長い間保有し続けてきたものを、今になって急いで売る必要は本当におありでしょうか。
もし、差し迫った必要がなければ、例えば、お子さんやお孫さんの夏休みの自由研究の材料に切手を提供してみてはいかがでしょうか。
切手そのものというよりも、切手に描かれた自然や美術などの題材を、子どもに自分で調べさせてあげてください。
最近の小学生は、切手そのものの存在を知らない場合があるので、はじめて見たときには奇異なものに感じるかもしれません。しかし、
切手には様々な題材があるので、自由研究の格好の材料になる可能性があります。
※以上はあくまでも参考情報です。ご自身の大切な財産である切手コレクションのご処分方針は、お客さまご自身のご判断によりご決定ください。
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